化粧品ができるまで第3弾、今回は、化粧品のそのもの、中身(バルク)のお話です。
化粧品の処方で各社技術を競いあっているのが、バルクです。バルクを作る技術を大きく分けると2つの要素があります。原材料としてどういったものを組み合わせるかという「処方」、そして、化粧品を量産する際にあたって、どう「乳化」させるかの技術です。乳化とは、水と油のように、本来混ざり合わないものが均一に混ざり合った状態を指します。自然界で乳化されているものの代表が「牛乳」です。乳化する技術は、食事に例えるとわかりやすいのですが、パスタのゆで汁とオリーブオイルのように「加熱攪拌」する方法、マヨネーズのように「高速攪拌」する方法などいくつかあります。食後、油で汚れた食器を洗剤で水に溶かして除去しますが、洗剤が「界面活性剤(水と油を混ざりやすくする働きのある成分)」の役割をしています。
攪拌する温度やスピードなどを調整しながらうまく乳化させるところが、技の見せ所となります。
釜の中では、こんな変化が起きています。
ピュールでは、研究開発室でどのような水溶液と油分を混ぜて、どんな剤形にするのか「処方」を決めつつ、生産する際に、どれくらいの温度やスピードで混ぜると乳化が起きるのか目安を探します。その上で、バルクの生産に携わっている経験豊富なメンバーと、実際の生産機械で使用する設定を決めて生産をしていきます。
生産されたバルクは専用の容器に保管され、検査に合格した後、容器に充填されます。
検査は、菌検査、pH、粘度、比重等、バルクの特徴に応じた検査方法で測定し、お客さまにお出しできる品質になっているかどうか確認しています。
バルクの生産が終わった釜や生産機材はその日のうちに洗浄、滅菌が行われます。この掃除を日々、隅々まで徹底して実施していることもあり、ピュールのバルク室は常に清潔に保たれています。環境測定も実施し、清潔な製造環境を維持するように努力しています。